エレンディラ

 南米のとある村、人々の集まる場所に瀕死の老人が運ばれてくる。見るとその背中には羽根が生えている。息も絶え絶えに老人はある女の名を呼ぶ……「エレンディラ」。その瞬間、老人は天高く舞い上がり、若かりし頃の美しい姿に戻っている。村人の見守る中、彼は、自分の人生を狂わせたファム・ファタール、エレンディラの話を始める。
 少女エレンディラは両親を亡くし祖母に育てられている。この鬼子母神のごとき祖母は美しかった自分の過去の栄光の幻影に生き、幼い孫を小間使いのように扱って家事全てを孫におしつけている。ある日、エレンディラは過労から居眠りをしてろうそくを倒し、家を全焼させてしまう。祖母は、その損失は自分で稼いで返してもらう、とばかりに年端もいかぬ彼女を娼婦にして、一日に何人も客をとらせて大もうけする。国中をベッドと共にさまよう流浪の高級娼婦のもとには長蛇の列ができた。
 ある日彼女は、本当の愛を誓う美青年ウリセスに出会う。ウリセスは密輸商人の息子で、彼らはオレンジ商人を装っているがその中にはダイヤモンドが埋め込まれているのだ。目を開けたまま眠り、過去の美しかった自分を巡る求婚者たちの思い出を夢見ている祖母の傍らで、エレンディラはウリセスと愛を交し合う。砂漠で出会った伝道僧の集団が、売春を厳しくとがめて、祖母からエレンディラを奪い去る。修道院の中で、かつてなく平穏な生活を送り、祈りにあけくれるエレンディラ。しかし修道院がインディオたちを西欧的婚姻制度にはめこむべく集団結婚させようとしており、自分も花嫁にされそうになるに至って、修道院を出て祖母と砂漠を行くことを選ぶのだが……。
e+ エレンディラ特集


mikanskyさんをお誘いして、さいたま芸術劇場↓まで行ってきました。

4時間の長丁場で、さすがに2回休憩が入りましたが、途中でワケがわからなくなったり。。
公式サイトに蜷川幸雄と対談した北野武のコメントがあったけれど、本当に幻想的って感じでした。(冒頭でバスタブが飛んだりしてましたし、最初の方ではよくわからない言い回しとかあったり>語り部が語っているスタイルなので)

舞台で雨を降らせたり、導火線に火をつけたり(さすがに途中までですけど)といった、ホンモノを使ってみたかと思うと、影武者(とはいわないですよね、お芝居じゃ)を使ったり、宙を浮いたり。そういう意味ではストーリーも現実的な密輸や孫が体を売って、おばあさんに背負わされた借金を返していく部分がある一方で入れ子的にどこまでが本当の話なのかわからない幻想的なところもあって、そういう意味では整合性は取れてないけれど、あれはあれでいいのかと。(ネタバレなしで書くとさっぱりですよね、きっと)

原作者のG・ガルシア=マルケスは土地の伝承を元に「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を書いたそうで、実際、ワユ族というのは、見た夢を語り解釈する人々がいたそうです。だから、夢のように辻褄が合わないストーリーになったのかもしれません。


中川晃教はかなりしごかれたようで、今までとは感じが違っていたけれど、演じていたのはやっぱり天使とかちょっとフツーの生身の男ではないんですよね。
自分の両親やエレンディラに色々言われて悩むフツーの男の子なんだけど、オランダ人の父とワユの母の間に生まれたゆえに、ワユの血が濃くなってしまっていて、恋愛によって封印されていた彼の力が解き放たれていく辺りから、だんだんと変わって、今思うと、最初と最後では雰囲気が全く変わっていて、しごきの成果がでてると思います。


残念だったのは席が3階の端(両端までしっかり席があるんですよ)で、演出上端っこだと身を乗り出しても見えなかったこと。想像で補うしかなかったけど、もうちょっと考えてもいいんじゃないのかなぁ。。


公式サイト(音に注意)
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by snowdrop99 | 2007-08-26 22:46 | ミュージカル・演劇