SHIROH

SHIROH

★★★★☆[90点](0-100点)

モーツァルトで主役をダブルキャストで演じた中川晃教が出演しているというのと、上川隆也とダブル主演なのでチケットを購入、昨日行ってきました。

(ゲキ×シネという、舞台を映画の形にして、映画館で上映するスタイルなので、前売りは指定席でした)

公式サイトにあった予告編で、上川隆也のナイト風の衣装がかっこえ~と思っていたけれど、もちろんそうだけど)それだけではなく、とても衝撃的な内容でした。
どのくらいかというと、「新撰組!」でひっぱられたのと同じぐらいひっぱられてます。

天草四郎、島原の乱をモチーフにしているけれど、益田四郎時貞と天草のシローに分けて設定。
益田四郎はキリシタンであり、神の子と流布されていたが、子供の頃にあった力はなく、逆にシローは宣教師の子供だが、信仰どころか家も家族もなく、あるのはただ人を操る力をもつ歌声と仲間。
それを史実にあてはめて(時折ギャグを入れて)ストーリーを作っているんだけど、実際の史料をみると、かなり取材をしているのが分かります。

南有馬町公式サイト(キリシタンたちが立てこもった原城跡がある町)
Wikipedia

これを書く前に、「サンチャゴ」と歌詞にでてくるので、どういう聖人なのか調べてみたら、聖ヤコブ(大ヤコブ)のことで、スペインの守護聖人(これもいわくがあるのだけれど)で、レコンキスタの頃には軍神とされ「サンチャゴ」は戦いの際の必勝を期す掛け声ともなっていて島原の乱でも「サンチャゴ」と叫びながら突撃をしたんだそうです。

もちろん、歌に力があり、民衆を操るのなんて物語だけど、勝ち目のない戦なのに、キリシタンたちはそうやって必勝を祈願して突撃をするのです。
その頃の教義については詳しくは知らないので、一概には言えないけれど、殉教をしてハライソ(パラダイス)にいけるなんて、今のテロリストと対して変わらないような気がします。

あるいは、リーダーたちは信仰を捨てても後がないと悟ったのか、殉教することでしか、3万7千人(実際には2万5千人ほど)の最期は迎えられなかったのかもしれません。
追記:キリスト教徒は自決はできない(自殺は罪)ので、これしか選択肢がなかったのかもしれません。
(実際、内通者一名を除いて皆殺しにされた上、首謀者はさらし首に)

舞台にモニターを使っていて、冒頭とラストに現代がでてくるのだけれど、高橋由美子演じる寿庵のラストのセリフ(ネタバレなので内緒)は、松平伊豆守=徳川幕府だけでなく、それに続いている私たちにも向けられている気がしました。


作・中島かずき、演出・いのうえひでのりで「SHINKANSEN☆RX ROCK MUSICAL」と銘打っているので、劇団☆新感線の路線は踏襲しつつ、帝劇初のオリジナルミュージカルにふさわしいものだと思います。

公式サイトには、再演を考えているようなことが書いてあったので、もし再演するなら生の舞台を見に行ってみたいですが、上川隆也が来年は忙しいから、早くても再演は来年の冬(大河ドラマの撮影が終わった頃)でしょう。


年がばれますが杏子が四郎の姉役ででてたり(同行者は若くて、『バービーボーイズ』って言ったら「誰ですか、それ」って言われた(T_T))、デーモン小暮閣下が一部作詞してたり、ルーク篁がでてるあたり、ロックミュージカルの名はダテではないようです。

シネ・クイントでの上映は今週金曜日までですが、イーオシバイドットコムで10月6日にDVDが発売されるそうです。


Posted by yuki on 2005/09/06 with 映画生活



 



ゲキ×シネ

(前略)身近に演劇をよく観に行く人がいるともうちょっと事情が違ってくるが、初心者にはなかなか足を向けにくいのも事実。
というのも、自分がどんなものが観たいのかもよくわからないし、ちょっと心得のある友人にイイ作品を教えてもらったとしても、上演されている場所、さらには期間が限られているからだ。
しかも人気の公演となるとチケット争奪戦で入手が難しい。まさに観に行くためにはハードルの高さを感じる。
映画であれば、同時に数多くの映画館で上映され、またすばらしい作品は二番館、三番館、リバイバル上映とどこかで触れるチャンスにめぐり会える。
ところが、演劇は公演が終わってしまえば、それがいかに名作であっても、その一片たりとも触れる事はできない。観た人によって語りがれるのみである。

つまり。演劇の賞味期限は残念なことに極端に短い。

それはもったいない!せっかく日本の演劇シーンは、歴史に残すべき名作の数々を生み出している。それを見せられないのは、エンタティメントの大いなる損失だ(後略)


元々はイーオシバイ(e!oshibai)がDVDの直販の形で、舞台演劇の普及を目指したところから来ているようで、それを更に映画館で気軽に見られるようにしたものと考えていいと思います。

Shiroh(IMDb)
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by snowdrop99 | 2005-09-06 00:38 | ミュージカル・演劇